二人の壁は
夢中で走ってたら、全然見覚えのない所にいた
「ここ…どこ?」
どうしよう…自分が方向音痴なの忘れてた
取りあえず葵に電話しなきゃ!
バックから携帯を出して かけようとボタンを…
押せない…
葵は今、女の子と一緒に帰ってるんだ…
かけられない…でも
「怖い…よ」
不審者が出るって言ってたし…
「おい…」
ビクッと自分の肩が揺れたのが分かった
「何してんだ?」
あたしは、逃げようとも思ったけど…余計に迷うし、どこかで聞いた声だと思ったから
ゆっくり振り向いた
「朝の人?」
「あぁ…で、何してんだ?」
何って…
「迷子?」
そう言ったら、その人は笑いだした
「何で疑問系なんだよ」
「……」
あたしは恥ずかしくて俯く…
「家…どこ?」
「え?」
もう一度みた時は、もう笑ってなかった
「送ってやる」
「でもご迷惑じゃ?」
「道分かんないなら、送る…不審者に会うよりマシだろ?」
そりゃ…
「じゃ…お願いします」
「ん」
って笑う
やっぱりイケメンさんだなぁ