二人の壁は

近い?



「かけた…方がいいよね、きっと」


携帯のアドレス帳から葵にかける


―プルルルル


プッ


早い…


「もしもし?葵?」


『もしもし?…じゃっねぇよ!』

声でかいよ
鼓膜破れる


「ど…どうしたの?」


『どこにいんだよ!』


電話越しに息切れの音が聞こえてくる


「家の…前だよ」


『家の前!…って迷わなかったのか?!』


「迷ったけど…知り合いに会って送ってもらったよ?」


太貴さんに…


『…ったく、詳しい話は後で聞くから…家の中で待ってろ』


「え?」


ブツ…


………


出るのも早ければ、切るのも早いな…


でも言われた通りにしないと後が怖い…


< 19 / 24 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop