二人の壁は
近い?
「かけた…方がいいよね、きっと」
携帯のアドレス帳から葵にかける
―プルルルル
プッ
早い…
「もしもし?葵?」
『もしもし?…じゃっねぇよ!』
声でかいよ
鼓膜破れる
「ど…どうしたの?」
『どこにいんだよ!』
電話越しに息切れの音が聞こえてくる
「家の…前だよ」
『家の前!…って迷わなかったのか?!』
「迷ったけど…知り合いに会って送ってもらったよ?」
太貴さんに…
『…ったく、詳しい話は後で聞くから…家の中で待ってろ』
「え?」
ブツ…
………
出るのも早ければ、切るのも早いな…
でも言われた通りにしないと後が怖い…