二人の壁は

あたしは、部屋に行って着替えて…言われた通りに家で待ってる


でも…何か不謹慎だけど嬉しかったな…


あたしやっぱり…葵の事…


ばんっ


「あ…葵?!ノックくらい…」

って…何か怒ってる?


「お前、方向音痴のクセにちゃんと道見ないで走るから迷うんだよ!」


「ご…ごめんなさい」


自分が悪いから、謝るしかない…


「チッ…で、誰に送ってもらったんだよ」


「えっ…と…朝に話しかけられた人に…」


葵があたしの事を睨んでるから、語尾が小さくなる


「朝の…?あの男に?何で?」


「あの…迷ってた時に調度声かけてくれて…送ってくれるって言うから」

「お前さ…不審者だったらどうする気だったわけ?」


どうするって…


「分かんない…」


「本当…バカじゃねぇの?何ですぐ電話かけてこなかったんだよ?」


葵は、勉強机のイスに足を組んで座ってる


「だっ…て女の子と帰るって言ったから…邪魔かと思って」


嫌われても邪魔くさいと思われたくないから…


「…帰ってねぇよ、お前探してたから」


「え?」


葵はイスから立ってあたしの腕を掴んで立ち上がらせて…



抱き締めた


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