二人の壁は



「へぇ、大好き…か」


少しにやにやしながら聞いてくる葵


「う、うるさいー!」


「お前がうるせェわ」


「う…と、とりあえず離してよ」


さっきからずっと抱き合ったままだし


「やだ」


「え?」


「麗、好きだ。お前より俺のほうがずっと」


久しぶりに呼ばれた名前
ものすごく嬉しい…


「あたしだって葵に負けないくらい…す、きだよ」


ちょっと語尾が小さくなっちゃったけど


「じゃあ勝負だな」


「ま、負けないもん」


あたしは葵を見つめる


「…上等」


そういって葵は優しくキスをした



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