二人の壁は
あたし達の家から学校はあまり遠くない…
歩いて10分位
他の自転車通学とか、バス通学とか、電車通学よりはマシだと思う
けど…高校に入ってから葵と会話が減って、凄く気まずいんだ…
…もう着くんだけどね
それに葵は…
学校の門をくぐると…
「おはようございます」
キラキラした優等生になるんだ
まぁ…猫かぶりなんだけどね
葵は頭が良いから、優等生に違いはないんだけど
いつも笑顔で優しくて…前の時の性格っていうか
あたしも頭は悪くないけど…見た目も頭も性格も普通だし…
最近の葵は…もの凄く遠い
あたしは、一度立ち止まる…
いつも考えてる
本当は…あたし、邪魔なんじゃないかって不安になる…
あたしの事嫌いなんじゃないのかな…とか
何であたしと一緒にいるのかな…とか思うけど
幼なじみだから…っていう答えしか出てこない
幼なじみなんか邪魔とか嫌いとか一緒とか…
ただ家が近いから…
あたしに対する感情すらないんじゃないかなって思う…
「おい、立ち止まるな」
「え?」
後ろに振り向くと
「邪魔だ」
…イケメンさん
「ご…ごめんなさい」
でも…他にも通るとこいっぱいあるのにな
「別にもういい」
「そう…ですか」
………向かい合ったままお互いなにも言わなくなった
「あの…失礼「すみませんね、俺の幼なじみが邪魔しちゃって」
…葵?
葵は、あたしの腕を掴んで
「失礼しますね」
歩き出した
また歩幅が大きくて小走りじゃないと追い付けない
「バカやってんじゃねぇよ」
小さい声で言った
「ごめんなさい…」