◆小悪魔彼氏と~lovelife~◆
〜第一章〜

有名人と好きな人

〜深紅〜

風の強い桜道にドキドキしながらくぐった大きな門。
その全てが今となっては懐かしい思い出だった。

「寒いっ!」

もう4月の半ばにもなるのに、気温は上がらなく寒い日々……桜も蕾のままで今年咲くのは5月くらいになりそうだと言われてる。

それが少し残念で、春はまだなのかとも思った。
高等学校の校舎に入り、教室へと続く廊下を私は、歩いてた。
だけど、冷たい空気に満たされた廊下は寒いことこの上なくて、急ぎ足で教室へと入った。

自分の席について考えるのは、ここでの二年間の日々。
それなりに充実してたかも知れないけど何か足りない毎日だった。

けど、それは過去の話、だって、今は――……

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