◆小悪魔彼氏と~lovelife~◆
「っ……たい」

痛い、そう言ったつもりだったのにそれは小さな呻き声にしかなることはなかった。

「大丈夫?」

頭上からはっきりと聞こえた声に驚いて、上を見上げると、すぐ目の前に霜月蓮の顔があった。

そのおかげで理解する。私が今、どこに居るのかを……。

自覚するとともに、

「大丈夫、です」

と告げて立ち上がる。
はずだったに、実際は足に激痛がはしるだけで立ち上がることは出来なかった。

「っ……!」
「足痛いの? それなら……」

霜月蓮が何かを続けて言おうとしたのを千璃君が遮った。

「この子は僕が保健室に連れてく。もう授業始まるし、蓮は席についてなよ」
「でも……」
「君もそれでいいよね?」

急に問われて小さく頷くことしか出来なかったけど、正直助かったかも。
だって、さっきから、女子の視線が凄く痛かったから……。
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