†黒ウサギの仕事†
学校までは電車で行ける距離だった。
「ねぇ月也。俺達って同じクラスかな?」
「う~ん…。どうなるんだろうね。僕にも分からないや。それより仕事の道具はちゃんと持って来た?」
「うん!ちゃんとここに…」
雷はカバンの中を広げて見せて来た。
「ちょっ…。ここじゃあまり広げないで。ばれたら大変な事になるよ」
「あ、ゴメンゴメン!ついうっかりしちゃって!」
こんな調子で大丈夫かなぁ…。
「琉也、電車に乗るから切符買って来て」
「はいはい」
僕と雷は切符を買い、電車に乗った。
「うわぁ…。人間がたくさんいる。こんなに多いのに乗るの…?」
雷は電車の通勤ラッシュに乗るのは初めてらしい。
「うん。仕方ないよ。これは僕達に与えられた試練なんだから」
僕は嫌がる雷を無理矢理引っ張り、電車に乗った。
「うぅ…。キツイよ…」
「我慢して。すぐ着くはずだから」
僕は雷と離れないように雷の腕をしっかり掴んだ。