†黒ウサギの仕事†
そしていつの間にか授業の終わりのチャイムが鳴った。
「月也。次行こうか?」
「うん」
僕達は屋上を後にし、教室へ戻った。
教室へ入ると、クラスの人間達はジロジロと見ている。
そして僕達は自分の席に着き、外をボーッと眺めていた。
「アイツら何なの?最初の授業も出ないで…」
ヒソヒソと話し声が聞こえる。
「なんか質問しても無視されたし…。ちょっと変だよねぇ~」
変って何?
僕達が変…?
僕達がおかしいって事?
「月也…」
雷が不安そうな顔で僕を見る。
「大丈夫。どうしたの?僕達は何も悪くないだろう?堂々としてよう?」
「うん…」
雷、心配しないで。
僕が守るから。
「なぁ、なんでさっき授業サボったの?」
1人の男子生徒が僕達に話しかける。
僕は無視した。
「琉也、大丈夫?無理しなくていいからね?」
「ちょっと…。無視しないでよ~」
男子生徒は僕と雷の肩に腕を回した。
「触るな!」
僕はとっさにその腕を振り払った。
「琉也にも触れるな…」
その男子生徒はビックリした様子でこっちを見ている。
キーンコーンカーン……
授業の始まりのチャイムが鳴った。