†黒ウサギの仕事†
「ふぅ~ん…」
その時の僕は、璢維人の言ったお楽しみとは何なのかをまだ知らなかった――――。
そして次の日の朝、僕は雷と一緒に学校へ行った。
「ふあぁ~。眠いよ…」
雷は大きな欠伸をしながら目を擦る。
「そうだね。僕も眠いや……」
「おはよう双子ちゃん!」
いきなり目の前に現れたのは隣のクラスと思われる1人の男子生徒だった。
「誰?用が無いなら話しかけないでくれないかな…」
僕はなるべく人間とは関わりたくないので冷たくそう言い放った。
でもその男子生徒はニッコリ微笑みこう言った。
「友達になろうよ!」
友達…?
僕の頭の中で友達と言う言葉が何度も繰り返す。
「友達…?」
「そう!友達!ダメかなぁ…?」
僕は初めてのその行為に少しだけ、ほんの少しだけ喜びと言うものを感じた…。
「つ…月也?どうする?」
雷も初めての事に少しだけ嬉しそうだった。