期限付きの恋
大嫌いなアイツ
 高1の春、私は親友の晴香と同じ高校に、進学した。
「冬子、同じクラスになれたらいいね!」
「うん。そうだね」

ドン!!

勢いよく、男の子の背中にぶつかった私。

「ごめんなさい・・・」

「お前、どこ見て歩いてるんだよ」

睨まれる私・・・

「あれ?春馬じゃない?」

「晴香じゃん!お前も、この高校だったの?」

「うん。アンタと同じになるなんて思わなかった」

「俺もだよ」

「・・・晴香、この人誰?」

「中学が一緒だったの。こいつは春馬。仲良くしてやって」

「どうも・・・」

「ちょっと春馬、ちゃんとあいさつしなさいよ!私の親友なんだから」

「名前知らないし」

まだ私は睨まれ続けている…なんなのよ、コイツ!

「冬子よ、と・う・こ。わかった?」

「エッ?とろこ?確かに、とろそうだわ。よろしく、と・ろ・こちゃん」

私はコイツと、同じクラスになった。そして、一番、嫌いな奴になった。
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