期限付きの恋
捕まえられた私の目から、涙がこぼれた。

「・・・春馬のこと、好きなの?」

「・・・・」

私は、斗真にしがみついて泣いた。

斗真も私を優しく抱きしめた。


そこへ、春馬が息を切らしてやって来た。

「お前たち…」

私たちを見つめる春馬。

「・・・そういうことだったのか」

「ちがっ・・・」

「もういいよ。聞きたくない」

春馬はその場からいなくなった。


「冬子、聞いて」

斗真が静かにしゃべりだした。

「夏休みのあいだ、春馬がどんなだったか知ってる?」

私は首を振った。

「荒れてたよ。かなり」

「・・・」

「酒飲んで、泣くか、物に当たり散らしてた・・・あんな春馬見たの初めて」

斗真が苦笑いをしている。

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