期限付きの恋
 放課後、私は晴香と買い物に行く約束をしていた。

教室を出ようとすると、後ろから、誰かに腕を掴まれた。

「イタイ…春馬。何か用?」

「今から、ちょっと付き合えよ」

「今日はダメ!晴香と買い物に行くんだから」

「晴香なんかほっとけ」

「ちょ、ちょっと」

晴香の叫び声を無視して、春馬は私の腕を引っ張り、どんどん歩いていく。


着いたところは、コンビニ…

「ちょっと、わざわざ連れてきたのが、コンビニ?」

「ちがうよ。ちょっとだけ、ここで待ってて」

春馬は、私をコンビニに残したまま、隣の店に入ってしまった。

なかなか出てこないから、帰ってやろうと思った時だった。

コンビニから出てきた二人組の高校生が、私に話しかけてきた。

「今から、カラオケ行くんだけど、一緒に行かない?」

「けっこうです。連れがいるから」

ちょっと感じの悪い人たちだったから、ビクビクしながら断った。

でも、その子たちは、私の言葉を無視して、連れて行こうとする…助けて

「オレの女になんか用?」

やっと出てきた春馬が、一人の腕をひねり上げた。

「イテッ!なにすんだ!」

頭に来たのか、いきなり春馬に殴りかかった。
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