期限付きの恋
春馬は軽くかわして、逆に相手を殴り飛ばした。

「他の女探せ!」

春馬の一言で、二人は走って逃げた。

「悪い…大丈夫か?」

「・・・・」

私は目にいっぱい涙ためて、春馬を睨んだ。

「来るの、遅い」

今にも泣きだしそうな私を連れて、近くの公園に入った。

「なんで、一人にするのよ」

「ゴメン、悪かったよ。でも、ちゃんと助けただろ」

「・・・怖かったんだから」

ついに私は泣き出してしまった。

春馬が私を引き寄せた。

「放してよ!あんたなんか嫌いって言ったでしょ」

「黙れ!落ち着くまで、このままでいろ・・・」

嫌いなはずなのに、腕の中が温かくて、わたしはたくさん泣いた。

「落ち着いた?」

「・・・うん、なんとか」

私の言葉に笑顔を見せた春馬。

ポケットから何かを取り出した。
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