期限付きの恋
 日曜日、晴香にさんざん断れと言われたけど、私は約束の場所にいた。

10分過ぎてもなかなか来ない。・・・帰ってやろうか。

春馬がきた。私は春馬に駆け寄って、文句を言った。

「遅い!何分待たせるの?」

「・・・?」

「なんか言ったら?」

「とろこ・・・ちゃん」

頭にきた私は、春馬の頭を叩いた。

「いいかげんにしてよ。来いって言ったからきたのに。もう帰る」

私の言葉に、慌てて春馬が止めに入った。

「ゴメン。デートだったよね。行こう」

春馬は私の手を掴んで歩き出した。

「どこ行きたい?カラオケ・ゲーセン・映画。」

「・・・映画。見たいのがあったから…」

「よし、じゃあ、映画館に行こう」

私たちは、映画館の前までやってきた。・・・いつもと感じの違う春馬に戸惑う私。

「なんか、優しすぎて、気持ち悪い…」

「そう?・・・いつもと変わらないと思うけど」

「・・・始まる前に、ちょっとトイレ…」

私は席を立ち、トイレに向かった。

♪~♪~携帯が鳴りだした。

春馬??
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