期限付きの恋
私はとりあえず、電話に出た。

「おい!いつまで、待たせるんだよ」

「は?トイレに来ただけでしょ?」

「は?お前何言ってるんだ?」

「だから、トイレ・・・」

「・・・今どこだよ」

「映画館に決まってるでしょ!ふざけてんの?一緒にきたでしょ?!」

「?!・・・アイツ!クソ!・・・映画館の入り口で待ってろ。」

「意味わかんない!もう始まるんだけど」

「うるさい!待ってろ」

ブチッ!電話を切られてしまった・・・どうなってるのよ。

5分後、春馬が息を切らして走ってきた。

・・・今、映画館の中にいたはずなのに。

『冬子!!』

二人の声が、私を呼んだ。

?!・・・春馬が二人いる。

二人を見比べる私。睨む春馬と、笑顔の春馬。

「春馬が二人いる…」

私の言葉に、二人の春馬は顔を見合わせた。

「バカ!オレがわからないのか?」

「わからないわよ!説明して」

「コイツは、オレの双子の弟。斗真って言うんだよ」

春馬って・・・双子だったの…
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