天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅧ
まぁともかく、生徒達はこはくと共に天神学園の校庭へ。

「おぉおぉぉぉぉっ」

彼らは一斉に声を上げる。

夕暮れの校庭。

赤く染まるグラウンドに映える、花びら舞い散る桜の園。

淡い桃色と夕陽の紅が織り成す、幻想的な光景…。

「すごぉい、綺麗!」

撫子が感嘆の声を上げる。

「天神学園庭師自慢の『桜の結界』か」

疾風も感服したように呟く。

美しさだけではない。

この桜の園が、天神学園を天神学園たらしめているのだ。

神の力を持つこの桜は、人間、悪魔、魔物、死神といったあらゆる種族の殺意や憎悪を消し去り、学園内での争いの一切を禁じている。

いわば天神学園の守りの要なのである。

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