天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅧ
「子供に現を抜かすのもいいけどよぉ」

幸せムードの中、口を挟んだのは龍太郎。

「忘れちゃいねぇだろうな?俺ぁあんたら二人に決闘を申し込んでんだぜ?」

確かに。

一度は夕城の屋敷に通って師事していた龍太郎。

今でこそ龍娘を老師と仰いで中国拳法の修行をしてはいるが、こはく達から教わった技術や精神もまた、龍太郎の中には脈々と受け継がれている。

決闘を申し込んだのは、その恩返し。

決して夕城夫妻の教えを忘れた訳ではないという意思表示でもあるのだ。

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