天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅧ
「と、まぁ」

突然。

それまで眉間に皺を寄せて夕城夫妻を睨んでいた龍太郎がニカッと笑う。

「え?」

「ぬ?」

面食らったというか、毒気を抜かれたというか。

呆けたような顔をする二人。

「めでてぇ席なのに殴るの斬るの話すのも物騒だしなぁ」

そこら辺に置いてあった日本酒の一升瓶を掴み取り、龍太郎は旦那の紙コップにドクドクと注いだ。

コップから溢れてこぼれてるけど気にしない。

「さ、グーッと飲めよ旦那!待望の世継ぎと姫の誕生だろ?」

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