天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅧ
別の世界とはいえ、兄が作れたものを、自分が作れない筈がない。

話を聞いた疾風はそう考え、日夜次元転送装置の開発に心血を注いでいる。

それを開発し、自らが『別の世界』へと向かって悲劇の元凶を倒すつもりなのか、それともパラレル女子を元の世界へと帰してやるつもりなのか。

そこら辺の事は龍太郎にはわからない。

が。

「完成するといいな、それ」

「ああ」

二人は紙コップをかち合わせ、無言で杯を交わす。

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