天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅧ
と。

「!」

雛菊の携帯が鳴る。

花見弁当盛り付けの手を止め、電話に出ると。

『よぉ、雛菊か?俺だ』

電話の主は3年の御雷 疾風(みかずち はやて)だった。

『雛菊、花見に何か食うもん持っていくのか?』

「あ、うん、お花見弁当作っていくよぉ、三段重ねのお重だよぉ」

ただのアホの子ではないんだぞ、家庭的なとこもあるんだぞとアピールする雛菊。

『そうか…じゃあ俺は洋風のオードブルでも作っていくか』

「はい?」

キョトンとする雛菊。

「疾風君料理できるのっ?」

『ああ…普段からやってるからな。大抵のものは作れるぞ』

何とびっくり、雛菊よりよっぽど家庭的な疾風である。

電話を切った雛菊は。

「…負けてらんないかも」

鼻息も荒く腕捲りした。

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