天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅧ
「それにしても、寧々ちんグラビア雑誌なんて読むんだねぇ」

ようやく泣き止んだ雛菊が言う。

「グラビア雑誌だけじゃないです、漫画や純文学や…読むものがない時は折り込みチラシや電話帳まで読むです」

電話帳は何が面白いのだろう?

少々風変わりな子である。

寧々は小さな声で。

「人間の世界の事は、何をとっても新鮮で興味深いですから…」

そう呟きながら、帽子越しの頭に触れた。

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