天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅧ
まぁ可哀相だから、龍太郎は桜の木から一番遠い場所に座らせてやる(やはり酷い)。

そうこうしていると。

「きゃうっ」

登場早々、雛菊達の目の前で転ぶ少女の姿。

見ると。

「あいたたた…」

目許まですっぽりおさまってしまう帽子を被った1年生の姿が。

雛鈕 寧々(ひなざくら ねね)。

この春入学してきた新1年生で、渾名は雛菊の呼ぶ通り、

「寧猫(ねね)ちん♪」

らしい。

「いらっしゃい、ちゃんと迷わずに来れたぁ?」

緩々の雛菊の呼びかけに。

「はいぃ…雛菊先輩の書いたキッタナイ地図でも何とか理解できました」

さりげなく毒舌な寧々。

寧々の言葉に同意したように、愛犬の豆柴、タロタロが可愛らしく吠えた。

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