譲る葉
「お主に問う。今のお主の、一番の願いは何じゃ?」

真剣な眼差しで、私に問いかける老人。

その鋭い目つきは、私が何も答えなくても

全てを見透かしていそうで怖い。

「…お母さんが、無事に回復すること…」

嘘をついても仕方が無いので

思ってることを正直に打ち明ける。


ああ、そうか

私の感じた期待感は

この人なら、何とかしてくれると思った。

そういう事だったのか。


頭の悪い私にしては

理解が早かった気がする。



本当、最後の最後で…
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