譲る葉
目の前が、いつも以上に闇に染まる。

もうこれ以上暗くならないほどに。

胸が痛いのに、泣けない。

信じられなさ過ぎて

どうしたらいいのか分からない。


「病院の者はまだ気付かないようじゃの。状態が落ち着いていたから、特に誰かが付きっ切りというわけではなかったのじゃろ」


いやだ…

こんなの…


私―

ひとりに

なっちゃった―
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