譲る葉
老人の言葉が突き刺さる。

「まあ、よいではないか」

「…どうして?」

「親は、子より先に死ぬものじゃ。それが、親にとっての最大の幸せというものじゃ」

そんなこと…言われても

じゃあ、私の幸せはどうなるの!?

早く仕事を見つけて、お母さんに楽な暮らしをさせてあげたかった私は?

「まあ、お主が不幸を感じるのも無理はない。そのために、わしは今お主の前に現れたのじゃから」

もうワケわかんないのに…

この人、本気なのかな…


もう、何が現実なのか分かんない。
< 109 / 131 >

この作品をシェア

pagetop