譲る葉
私は、お母さんが、好きです。

この世で一番好きです。

この世で…唯一信じられる存在で

何があっても私の味方だったお母さんのことが。


でも、もうこの世の人じゃないなんて

信じられませんよ。


私なんか産まなきゃ、もっと長く生きられたのに。

私の記憶の中のお母さんは

顔は笑っていても、いっつもどこか寂しそうだった。

私なんか産まなきゃ、もっと幸せに生きられたのに。



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