譲る葉
それなのに…

お母さん、私は駄目な娘でしょうか―

ろくに友達も出来やしない。

遠足のときに張り切って作ってくれたお弁当は、一人寂しく食べました。
 
ちょうど良く加減してくれていたでしょうおにぎりの塩が、いやにしょっぱかったのをよく覚えています。
 
お母さん。私は馬鹿な娘でしょうか―

宿題も一人で出来やしない。

小学校六年間で、あなたは自分の時以上に頑張って、創意工夫をこらして、自由工作の貯金箱をこしらえてくれました。

その作品が、学校で褒められて、いい気になって周りを見下し

優越感など愚かな考えを持つに至ったこの馬鹿娘の頭を、

一発ぶん殴ってもよかったのですよ。
 
お母さん、私はあまりに甘ったれた子供でした。

当時流行っていたゲームボーイがどうしても欲しくて。
お金が無いからとなかなか買ってくれないあなたを、私は心底憎みました。

家には父さんがいません。

だから、あなたは朝から晩までパートに打ち込み、家に帰ってからはクソガキの世話をしているのに―

そんな苦労も分からぬひたすら駄々をこねる子供でした。
 
私は結局、何をやらせても周りの子達と同じことが出来ない娘でした。

頭は、悪いです。ずっとクラスの最低点ばかり取っていました。

徒競走もずっとビリだったし、

逆上がりも出来ないし、

球技の練習のペアすら見つけることが出来ませんでした
< 2 / 131 >

この作品をシェア

pagetop