譲る葉
でもあなたは、私がペケペケだらけの真っ赤なテストを持ち帰っても、怒ることはありませんでした。

運動会は、私が皆にいじめられるといけないから、ズル休みをさせてくれました。

どんなに出来が悪くてもいい。嫌なことから逃げたって構わない。

どうせ一度きりの人生なんだから、楽しいことだけ追いかけたらいい―というのがあなたの口癖でした。

ただ、そばにいてくれるだけでいい

―と、泣いてる私の背中に毛布を掛けてくれました。

あのときの毛布の暖かさと、あの時あなたが言ってくれたあの言葉は、一生忘れることが出来ません。
 
お母さん、今の私を見ても、同じ事を言ってくれますか?
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