譲る葉
「お母さん…」

ベッドの上に、お母さんがいた。

やせこけて、以前よりシワが増えたお母さん。

もう見るにたえないよ―

目を合わせるのが怖かった。

お母さんをここまで追い込んだのは

紛れも無い、他にもいない

この私だ。


お母さんは、にこりと笑って、

血管が浮き出た手で

そっと私の頬に触れる。
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