譲る葉
変な電話は、お母さんのは言わないでおいた。

また余計な事を考えさせたくなかった。

私がお母さんに願うのはただひとつ

どうか無事に退院して下さい。

その後は、もう働かなくてもいいように


私は、懸命に職を探した。


でも、やっぱり何の仕事にも就けなかった。

もう、家の近所の

「アルバイト募集」の張り紙は制覇した。

この辺りはしらみつぶしに当たって

面接を受けにいったけど

全部ダメだった。
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