譲る葉
翌日、私はお母さんのいる病院に向かった。

お母さんは、また少しやせた気がする。

相変わらず、腕には点滴。

この点滴の費用も、少しは楽になる。

「お母さん、私ね、アルバイトだけど…また仕事するから…」

そこまで言った時、お母さんは笑ってくれた。

「今度は、頑張るから」

私は、自分の声が震えているのを自覚しつつ、そう言った。

「無理しないでね」

この期に及んで、お母さんはの口から出た言葉はそれだった。

説得力が無さすぎるでしょう―

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