譲る葉
「お母さん!」

私は、服もそのまま、受話器は投げ出し

掃除機もコンセントを抜かないまま

病院に駆けつけた。


何だか、よく分からないけど

お母さんが、マズイらしい。

私は、医者じゃないから分からないけど

ものすごく―ヤバイらしい。

説明を聞かされても理解できない頭の悪さを

これほどまでに恨んだ事は無い。

元々、身体が丈夫というわけではないお母さん。

どこか、悪くなってたのが、再発したとか

そんなこと聞いてないよ―

聞かされてないよ―
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