譲る葉
いつの間にか、眠ってしまっていた。

机に突っ伏していた私の頬には

乾いた涙の後が残っていた。

何だか、盛大に泣いていたんだっけ。


寒い。心も身体も―

そりゃそうか

真夏でもないのに、何も被らずに眠るから―

そうだ、布団や毛布を掛けてくれる人は

この家にいないんだ。

もうずっと帰ってこれないかもしれない。


時計を見ると、夜中の三時過ぎだった。

起きていても仕方が無いので、

トイレに行ってから、布団を敷いて寝よう―
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