譲る葉
そう思って、身体を起こした時だった。


プルルルル…


「!?」

こんな静かな夜には、電話のベルがよく響く。

こんな時間に―電話?

今すぐに、伝えなきゃいけないこと?

それって…まさか…

心臓が、ズキンっと痛んだ。

何だか、黒いモヤモヤが、それを覆う。


どうか…病院からじゃありませんように…


ドクンッ…ドクンッ…


心臓の鼓動がうるさい。

はやく、握り潰してもらいたい。

< 95 / 131 >

この作品をシェア

pagetop