はらり、ひとひら。


「同情などするなよ。引きずられるぞ、お前は特に隙が多いからな」


お見通しだった。


「…うん」


「自分の命が危ないのだ、危険因子は排除しなければならん。いわば正当防衛というもの。己に向かってくる妖はすべて敵だ。祓え、徹底しろ」


厳しい言葉だった。…だけど、そうだ。私の体に流れる修羅の血は、悪しき妖にみすみす渡していい物じゃない。自分の身は、自分で守る。



「はいっ」



「よろしい」



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