はらり、ひとひら。
「何で師匠、変化(へんげ)出来たの?」
ずっと抱いていた疑問を言葉にする。
だって私が命じない限り、変化はできないって言ってなかったっけ。
「お前は隙だらけだからな。それにいくら力をお前に預けたといえ、非常事態になれば勝手に妖力が供給される」
「へえ…」
…私そんなに隙だらけなんだ。背後に気を付けよう。
「ひとの心は弱く、妖に漬け込まれやすい。お前は特にそうだ。気をつけろよ杏子」
「うん」