はらり、ひとひら。


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夢をみた。




すごく、優しい夢。



淡い色の花が咲き乱れる場所で、笑いあう幸せそうな男女の夢を─。


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朝から雨が降っていた。私はその音で目が覚めた。


「ていうかなんで師匠、毎日鞄の中に入ってまで着いて来るの?」


心配してくれてるのはありがたいけど、ちょっと見つかった場合のリスクが高すぎると言うか。


「心配するな。うまくやる」

「ああそう…」


…言ってもきかないよね。


「絶対鞄から出ちゃ駄目だからね」

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