はらり、ひとひら。


傘を差し、大分歩きなれた通学路を音を立てて歩く。


「しかし雨の日は息苦しくて敵わん。やはり今日は家で雨宿りでもしているか」


「でも濡れたらガリガリになっちゃうよ師匠」


よく猫とかが、シャンプーしたら毛が濡れてびっくりするくらい細くなるっていうそれ。


安易に師匠でも想像でき、思わず吹き出す。


「妖力で多少の雨はしのげる。第一、そもそもお前がもっとしっかりしていればわざわざ私が・・・

っていつまで笑っているこの阿呆!」


「だ、だって・・・ぷぷっ」


「もう知らんぞ!あほんだらめ」


師匠はスネたのか、そっぽを向いてしまった。

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