はらり、ひとひら。
「え?今日も神崎くん、休みなんですか?」
「あぁ。丁度授業も終わったし、神崎の家に様子見に行くんだが椎名も行くか?」
神崎くんはもう1週間学校に来ていない。連絡もない、電話をしても出ないそうだ。
本当に妖にやられたのかもしれない。…でも実はただの風邪だったり?いきなりおしかけたりしたら迷惑じゃないだろうか…。ウンウン考えあぐねていると、先生が苦笑いした。
「友達なんだろ?」
「…!お願いします!」
迷っている場合じゃなかった。
私は先生の車に乗って、ありがたく同行させてもらうことにした。
「なんか…怪しまれないですかね?」
「大丈夫だいじょぶ」
楽観的だ…矢野先生は鼻歌交じりに車を走らせた。