はらり、ひとひら。
『無駄だ、非力な人間如きが私に敵うか』
一つ目の妖怪は、せせら笑った。
『よくも私の友人を祓ってくれたな』
「な、なんのことよ・・・!」
『─とぼけるな!!!』
怒りを露にした妖怪の手に力がこもり、私の首を絞める。
全身の筋肉が悲鳴をあげる。
「うッ───・・・!ぐっ・・・あ」
『怨み、晴らしてくれよう。桜子、
貴様を喰ってやる』
ギラリと尖った歯が煌いた。
あぁ、死ぬんだ。私、勘違いされてここでわけのわからない生き物に食べられて…
でもどうせ、夢なんだから…いいか。