はらり、ひとひら。


『無駄だ、非力な人間如きが私に敵うか』


一つ目の妖怪は、せせら笑った。



『よくも私の友人を祓ってくれたな』


「な、なんのことよ・・・!」


『─とぼけるな!!!』


怒りを露にした妖怪の手に力がこもり、私の首を絞める。


全身の筋肉が悲鳴をあげる。


「うッ───・・・!ぐっ・・・あ」





『怨み、晴らしてくれよう。桜子、
貴様を喰ってやる』


ギラリと尖った歯が煌いた。

あぁ、死ぬんだ。私、勘違いされてここでわけのわからない生き物に食べられて…


でもどうせ、夢なんだから…いいか。
< 11 / 1,020 >

この作品をシェア

pagetop