はらり、ひとひら。


帰り道の車内。

私はワイパーが雨を弾くのをじっと見つめていた。


「本当に学校でいいのか?家まで送ってくぞ?」


「・・・いえ、忘れ物しちゃったので」


まさか、狐を回収しに行くので…なんて言えやしない。



学校に着き、おろして貰おうとした瞬間─・・・


私の髪に、柔らかい感触が走った。


「・・・え?」


「お前、髪になにかついてたぞ」


…また?


「何ですか・・・?それ」

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