はらり、ひとひら。
奇妙な、紙でできた─人の形をしている何か。何か細かい文字が書いてあるが、ミミズが這ったような字でまったく読めない。
「なに…?」
訝しげに見つめていると、それは先生の手中で突如小規模な爆発をしてふっ、と消えた。
「せ、先生大丈夫ですか!?」
「び、びっくりした…何かの手品かなあ?まぁ、いいや。気をつけて帰れよ!」
怪我はないみたいだ、よかった…
「はい、ありがとうございましたっ」
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加速していく。
真実は厚い雲に覆われ、いつ顔を出すのか定かではない。
けれど、忘れないでほしい。
おぼろげであっても。傍らには居るということを。
今はまだ、見えずとも。