はらり、ひとひら。
**************
「何がどうしたんだ?」
私は先生に理科室に連れて来られた。薬品の匂いが鼻についた。
「な、なんで理科室なんですか?」
「オレ、理科担当」
「あ、そうでしたっけ・・・?」
「忘れるなよ。まったく…担任だろー」
そうだった気がする。先生は「他の奴らには内緒な」と、購買の袋から取り出したオレンジジュースを私にくれた。よく冷えたそれに愛を感じる。な、なんて生徒思いなんだ…!
「あああ先生ありがとうございます…」
「人影見えて、お化けかと思ったら椎名がうずくまってんだもんなあ。けっこういろんなやつに見られてたぜ」
「うえ、まじっすか…」
「まじまじ」
先生はけらけら笑う。意外と人いたっぽいし…最悪だ。恥ずかしい。やっぱり別のとこに行けばよかった。
「で?何があった?」