はらり、ひとひら。
「杏子!ええい貴様、待たんか!」
「師匠・・・あっ!?」
逃げようともがくと、牛面は小さく舌打ちをして、私の頭に何かぶつけたようだった。あたりどころがわるく、したたかに石に頭をぶつけた私はそのまま意識を手放した。
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「・・・主君。どうやらあの女、妖に連れ去られたようだよ」
「…やっぱり、彼女もそっち側の人だったんだ」
「どうするんだい?」
「・・・行こう」
彼女は俺の大切な仲間だ。どんな理由があれど、妖なんかに傷つけさせない。
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「・・・っ」
ぐわぐわ痛む頭を押さえる。…ここは?どうやら、目が覚めたようだ。