はらり、ひとひら。
もう一度、試してみるか…?妖気の充満する森なら、上手くいくかもしれない。
「これだけの珍味、何処から喰うか迷うなあ」
「っ」
「彼奴に命令されたのは癪だが、この血肉を前にすれば些事というもの」
彼奴?こいつ、誰かとつながっている?
「誰かの差し金…!?誰に言われてっ」
「答えてやる義理はない」
べろり、長い舌が顔を這う。気持ち悪い。思わず顔を背け、目をきつく瞑った。
─師匠…!
「愛い娘よ、苦しまないよう一口で喰ってくれる!」
大きな口が、私に迫った。