はらり、ひとひら。




けれど、いくら待っても痛みはやって来なかった。


代わりに、聞えるのは。


「ぐっ、おのれ・・・」


牛面のうめき声。


牛の顔に刺さった、刀。



「…!どうして─」



ミルクティー色の髪が、風に靡(なび)く。


「神崎君・・・!?」



紛れもない彼の姿だった。





< 140 / 1,020 >

この作品をシェア

pagetop