はらり、ひとひら。
「彼女は俺の式神の灯雅」
しきがみ?
「あんた、式神も知らないのかい?」
妖なのに、人そっくりだ。綺麗な女の人は驚いたように瞬く。背中の羽根と…山で修行する人が着るような服が特徴的だ。
「式神っていうのは、人間に仕える妖のことだよ。強い者を人間たちは探して使役させる」
でも、どうやって?純粋な疑問だ。
妖が人間に従うなんて、ありえないことだ。
「ちゃんとした手順を踏むなら、大きな代償が必要。俺はたまたま、人が仕掛けた罠にかかってる灯雅を助けたら、彼女自身が式神にして欲しいって言ってきたんだ」
「人に構う妖なんて珍しいし、何より色男だったからねえ。気に入ったのさ」