はらり、ひとひら。


冗談めかして灯雅さんは神崎くんの肩をたたいた。なんだか姉弟みたいだ。


「でも、最近は正当な手順を踏まず強引に強い妖を式神にしようとする者もいるらしいんだ」


「え・・・」

「まったく胸クソ悪いね。吐き気がする」


「ひどい話・・・」

「まあそんな奴、大抵は逆襲にあって命を落とすけどね。自業自得さ」


沈黙が降りる。式神にさせるための正当な手順って、やっぱり札作りの時みたいに何かしらの欠損や代償が伴うのだろうか。長い沈黙が下りる。耐えかねて口を開いた。


「…あの、灯雅さんは何の妖なんですか?」


「私かい?私は天狗。鴉天狗だ」


からすてんぐ。なんか、聞いたことある。

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