はらり、ひとひら。
「おや、噂をすれば何とやら」
「貴様ら何者だ。こいつに何かしたらただではおかんぞ」
師匠は低く唸りをあげる。私が弁解するより早く灯雅さんが神崎くんを庇うように立つ。
「野暮だね。あんたのとこの主を助けてやったのさ、むしろ感謝してほしいくらいだ」
「! お前、この間の・・・」
「あぁ、久しぶりだねぇ」
やっぱり、知ってた。
「椎名さんが、妖に襲われていた。俺たちはたまたまそれを助けただけだ。彼女には何もしていない、安心して」
神崎君がいつもとなんら変わりない口調で話すと、師匠はじろりと視線を変更した。
「私が恐くないのか小僧」
「恐くないよ」